考えたり記憶したりすることに使われている脳は、スポーツをする際にも大きな働きをします。
その結果、運動をすればするほど、知らないうちに脳は活性化され、脳がバランスよく育っていくことに。
育脳をするためには、ただ机の前に座ってお勉強するだけでなく、外で活発に遊ぶことも重要になります。
脳の役割
昔、理科の授業で習ったでしょうが、脳には大脳・小脳・脳幹があります。
さらに脳の80%をしめる大脳は、前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉の4つに分かれていますが、それぞれ部位ごとに役割があるのはご存じですか?
それぞれの働きについて見てみましょう。
・前頭葉
前頭葉の役割は、物を考えたり(思考・創造・自発性・理性・情緒等)、運動の指令を出すこと。
歩く、走る、跳ぶなど、前頭葉の指令によって身体を動かします。
・側頭葉
側頭葉の役割は、記憶や情緒、嗅覚、言語・音の解析。
ここに障害があると、音は聞こえていても何を聞いているのか分からない状態になってしまいます。
鬼ごっこやかくれんぼをしていると、足音で鬼が近付いてきているかどうかが分かりますよね。運動(遊び)が活性化につながります。
・頭頂葉
頭頂葉の役割は、体全体から感覚情報を集め、外界の認識を行うこと。指で触って「ザラザラしている」「温かい」などと判断します。
また、空間認知に大きな役割も。
例えば野球をする際、ボールに当たるようにバットを振りますが、このタイミングを取るのが頭頂葉の仕事です。
・後頭葉
後頭葉の役割は、眼球から入ってきた光の情報を、解析して認識すること。
野球では、飛んでくるボールを目で捉えるのに使われます。
・小脳
大脳の下にある小脳。力のコントロールなどの運動調整機能や、姿勢の維持などに関わっています。
・脳幹
心拍・呼吸・体温調節・消化など、生命維持に大きく関わるのが脳幹。
運動や感覚をコントロールし、運動の情報を伝える役割もあります。
運動で脳を効率的に活性化
運動は体全体を使います。
そのため、運動をすればするほど脳の様々な部分が活性化され、効率的に鍛えていくことができるのです。
特に小さな子供は、様々な種類の運動を行い、全身を使うことが重要!
野球では肩ばかり使ってしまい「野球肩」になったり、テニスでは肘ばかり使ってしまい「テニス肘」になったりしますよね。
一ヵ所を酷使すると、身体を傷めてしまう原因になりますので、とにかく満遍なく身体を使いましょう。
親の運動神経は遺伝する?
よく、「私の運動神経が悪いから、この子も運動が苦手で・・・」と話している親御さんを見かけますが、実は運動神経は遺伝しません。
運動神経は、子どもが生まれてから作られていくものなのです。
では、どうして運動が苦手な親から運動の苦手な子どもが。運動が得意な親から運動が得意な子どもが生まれるのかと言うと、運動の機会が全く違うからです。
親が得意なら、たくさんの外遊びをしますし、運動のコツを教えてあげることもできます。
しかし、親が苦手なら、外へ連れて行くことは減りますし、一緒に走ることやキャッチボールをする機会も多くはないでしょう。
この運動量が、運動神経を発達させることができるかの鍵となっています。