幼児に大人気のペダルのない足こぎタイプの二輪車。街中では勢いよくこいでいる子どもを見かけますね。
あまりの勢いにこちらが「止まってー!」と言いたくなることも。
確かにブレーキはついていませんからね。
国民生活センターは19日、幼児が利用するペダルのない二輪タイプの遊具に関する事故が相次いでいるとして、保護者への注意を促しました。
とくに、坂道や車道での使用が非常に危険であるにもかかわらず、そのリスクが十分に理解されていないことが指摘されています。
(※2025年3月31日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)
頭部へのけがが多数、ペダルなし二輪車での事故
「キックバイク」や「バランスバイク」とも呼ばれる、見た目が自転車に似たこの遊具には、ペダルやブレーキが付いていません。
医療機関のネットワークを通じて収集された消費生活に関する事故情報によると、2019年4月から2024年12月までの間に計101件の事故が報告されています。
そのうち82%は男児で、年齢では3歳児が全体の40%、4歳児が31%を占めています。負傷部位では頭部が最も多く、全体の73%に上りました。
事故が起きた場所としては、一般道路が43%と最多でした。
また、公園や道路を問わず、報告された101件のうち半数にあたる50件は坂道で発生していたことが確認されています。
急な坂道で時速16キロも。ペダルなし二輪車の注意点とは
同センターが市販されているペダルなしの二輪遊具を4種類購入し、それぞれの取扱説明書を確認したところ、すべての製品で道路や坂道での使用が禁止されていることが明記されていました。
さらに、傾斜10度の坂を利用して行った実験では、わずか10メートルの走行で時速約16キロに達することが確認されました。
これは一般的な自転車とほぼ同じ速度であり、特に幼い子どもがこのスピードを自力で制御するのは困難であると警告されています。
坂道などで急加速すると、ブレーキがない構造では脚での減速が難しく、重大な事故につながるおそれがあると指摘されています。
同センターは「使用前に保護者が必ず取扱説明書を確認し、禁止されている場所では使用させないよう徹底してほしい」と呼びかけています。
また、使用時にはヘルメットなどの安全装備を着用させ、子どもから目を離さないよう強く求めています。
正しくルールを守って安全に遊ぶ
親子できちんとルールを認識してほしいのは、「道路では使わない」「坂道では使わない」「ヘルメットをかぶる」。
きちんと守って怪我のないように遊びましょう。