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育脳お役立ち情報

通知表や宿題廃止を進めた校長が退職した今思うことは

学校生活では当たり前と思われてきた通知表や宿題を見直す動きが広がっています。
東京都新宿区立西新宿小学校で改革を進めた長井満敏さんの経験から、子どもが自ら学ぶ教育とは何か、私たち保護者や市民の立場から考えてみます。
(※2026年4月5日の朝日新聞の記事を参考にしています)

通知表と宿題をなくして目指した教育

西新宿小学校で校長を務めた長井満敏さんは、2023年度以降、通知表や宿題の廃止などを進めてきました。
目指したのは、教師がテストの点数だけではなく、一人の存在として子どもを見る学校です。
その背景には、授業中は落ち着きがないと見られていた子どもが、放課後には穏やかに友達と遊んでいた姿を目にした経験がありました。
同じ子どもでも環境によって姿が変わることから、長井さんは子どもではなく学校の仕組みに目を向けるようになったといいます。
私も、子どもの一部分だけを見て「こういう子」と決めつけないことは大切だと感じます。
家庭でも学校でも、置かれている環境によって子どもの様子が違うことはありそうです。

「なくす」だけでは変わらなかった学びへの意識

長井さんは、通知表や宿題を廃止すれば、教師も子どもも評価にとらわれ過ぎず、主体的に学べるのではないかと考えました。
しかし、実際には大きな変化を感じなかったと振り返っています。
通知表がなくなっても、学期末の面談では学力についての話が中心だったそうです。
保護者には学校を「勉強を教わる場所」、教師には自分たちを「教科書の内容を教える仕事」とする意識が根強く残っていると指摘しています。
通知表や宿題がなくなれば教育が変わるという単純な話ではない点が印象に残ります。
私自身も通知表があれば子どもの状況を把握しやすいと思う一方、数字や評価だけでは分からない成長も知りたいと感じます。

「普通」にとらわれない教育という選択

長井さん自身が小学生だった頃、担任の教室にはこたつがあり、机も全員が黒板を向くのではなく、ばらばらに置かれていました。
先生からテーマの説明を受けた後、それぞれのペースで学習する授業だったそうです。
この経験から、一斉に同じことをする授業に違和感を持ち、教師になってから自身の教室でもさまざまな方法を試しました。
ところが数年後には、校長から「普通にやってね」と言われたといいます。
学校には一定のルールが必要だと思いますが、その「普通」が本当に子どもに合っているのかを考える機会も必要ではないでしょうか。
幼児教育や子育てでも、周囲と同じ方法に合わせることだけが正解ではないと考えさせられます。

各地に広がる学校の「当たり前」の見直し

通知表などを見直す取り組みは西新宿小学校だけではありません。
神奈川県茅ケ崎市立香川小学校は2020年度に通知表を廃止し、東京都世田谷区立桜丘中学校では2019年度に定期テストを廃止しました。
一方で、改革を進めた校長の交代後にテストを復活させたり、ルールを厳しくしたりした学校もあります。
自治体による取り組みもあり、岐阜県美濃市教育委員会は2025年度から全市立小学校の1年生で通知表を廃止し、2026年度には2年生まで対象を広げます。
静岡県掛川市教育委員会も2026年度から全市立小学校の1~3年生で通知表を廃止し、2027年度には4年生まで拡大する予定です。
子ども同士を比較する評価だけではなく、一人ひとりの良いところや伸ばしたい力を丁寧に伝えるという考え方には共感できます。
通知表や宿題の有無だけでなく、「子ども自身が学びたいと思える環境とは何か」を家庭でも学校でも考え続けることが大切なのだと思います。

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