育脳お役立ち情報
幼児期に与える親の働きかけで子どもの成功・失敗に対する認知処理が決まる
行動の良し悪し、成功・失敗という認識は、その人の認識がどうであるかが非常に重要で学習にも重要な役割を果たします。大人は認知処理を行えることがわかっていますが、幼児では認知処理ができるのかどうかは明らかではありませんでした。
■子どもの困った「我慢できない」行動
例えば、お店に売っているおいしそうなお菓子。「食べたいな」と思っても、本来お金を出して買わないと食べることができませんよね。でも、幼い子どもの思考では、
お腹が空いた → 目の前にとっても大好きなお菓子がある!→食べてしまいます。
病院の待合室。待ち時間が長くてついつい鬼ごっこを始めたり泣きわめいたり。
じっと静かに待っていられるようになるのは何歳でしょうか。。。。
我慢ができないのか、してはいけないことがわからないのか。
というところでしょうか。
■東大の研究グループによる「成功失敗体験」に関する研究結果
東京大学のある研究グループが「親の応援が幼児の成功・失敗に対する認知処理を変える」という研究結果を発表しました。
簡単に説明すると、ある課題に対して、
Aは、幼児が一人で課題を行う
Bは、親が隣で応援しながら課題を行う
という実験を行い、AとBでは、脳の活動はどう変化するのかというものです。
親が隣で応援しながら課題を行ったBチームの幼児たちは、成功したときにに反応する脳波の振り幅が、Aの一人で課題を行う幼児のそれよりも大きかったそうです。この脳波は、ポジティブなイメージに強くでる脳波のようです。
■子どもの「我慢できない」の解決は、成功体験がカギを握る
この結果は、幼児の脳の発達には親の応援が重要な影響を及ぼすことを示唆しています。成功に対する認知処理能力は抑うつと関連することも知られているため、今回の研究結果はとても重要な意味を持ちそうです。
今後は、応援する大人が「親」でなければだめなのか、親でない大人でも有効なのか、大人でなくても幼児の友達でも同様の結果となるのかなど応援対象に着目した実験や、課題を行う前後どちらのタイミングで応援すると効果的なのかにも研究を広げていく予定だそうです。