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増える選択肢「アトピーの治療薬」

アトピー性皮膚炎を患っている子どもは多いですね。アトピーに限らず、アレルギー疾患を抱える子どもは多いです。

そんなアトピー性皮膚炎の治療薬について、新しい薬がここ数年で続々と登場しているそうです。

多くは大人用ですが、子どもに使える薬も少しずつ増えているそうです。

※2023年10月4日 朝日新聞朝刊より

 

ステロイド剤と保湿剤の中間的な薬が増えた

 

基本的に塗り薬による外用薬がメイン、という点は以前と変わりありません。保湿剤だけでコントロールできない場合は、まずステロイド剤の塗り薬で炎症をしっかり抑えます。

最近はステロイド剤と保湿剤の中間の効果が期待できる塗り薬の選択肢が増えています。

以前から使われていた免疫抑制剤のタクロリムス(商品名;プロトピック)のほかに、特定の分子に働きかけてかゆみや炎症を抑えるJAK阻害薬のデルゴシチニブ(商品名:コレクチム)、PDE4阻害薬ジファミラスト(商品名:モイゼルト)が最近公的医療保険の対象になりました。

 

JAK阻害薬コレクチムやPDE4阻害薬モイゼルトのステロイド剤との違いは

 

ステロイド剤は炎症に関わるサイトカインというたんぱく質の働きを抑えます。炎症やかゆみを抑える効果は高いですが、使いすぎると皮膚が薄くなったり毛細血管が拡張したりする副作用があります。子どもの場合、どうしてもこのような副作用が起きやすい、という悩みがありました。

JAK阻害薬やPDE4阻害薬は特定のサイトカインの働きをステロイドとは異なる方法で抑えることができるとのことです。

使い方として、まずは強めのステロイド剤で炎症をしっかり抑え、徐々にランクを落としていきます。そして炎症が抑えられてきたらステロイドではない、上記のような薬に切り替えます。

塗り薬で湿疹が収まらない場合は2018年に大人向けに保険適用されたデュピルマブが近々子どもに使えるようになりました。期待できますね。

 

家に閉じこもりがちだった子が元気な姿に

 

JAK阻害薬の飲み薬も12歳から使えるのもが登場しています。ひどいアトピーで家に閉じこもっていた子どもがJAK阻害薬でとても良くなり、元気に学校に行けるようになった例もあるそうです。

とにかく炎症が長く続くと治りにくくなるので、早めに全身療法を考えることも一つの手だそうです。

 

アトピー性皮膚炎の新しい治療薬と使える年齢

《塗り薬》
  • デルゴシチニブ(商品名:コレクチム)6ヵ月~
  • ジファミラスト(商品名:モイゼルト)2歳~
《飲み薬》
  • ウパダシチニブ(商品名:リンヴォック)12歳~※体重制限あり
  • アブロシチニブ(商品名:サイバインコ)12歳~
  • バリシチニブ(商品名:オルミエント)15歳~
《注射薬》
  • ネモリズマブ(商品名:ミチーガ)13歳~
  • デュピルマブ(商品名:デュピクセント)15歳~※2023年9月から6か月以上の乳幼児にもOK

 

子どもの睡眠の質の低下に注意です!

 

最近の報告では、中等以上の子どもは、軽症の子どもと比べて睡眠の質が悪く、一ヵ月に学校を休む日数も平均で3倍多いことが分かったそうです。

2023年9月に7か月以上の乳幼児にも適用が拡大されたデュピルマブ(商品名:デュピクセント)は塗り薬で十分な効果が得られない中等以上の子どもも対象になりました。

今中等以上の症状で悩んでいるお子さんはぜひかかりつけ医と相談の上、治療に役立ててはいかがでしょうか。

 

 

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